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神戸大学 ESDサブコース (発達科学部)

専門的な15コースでの学びに加え,履修可能な補助カリキュラム

このコースは,発達科学部だけではなく,文学部・経済学部・農学部を加えた4 つの学部が協働し運営している学部を超えた領域横断型のユニークなコースです。発達科学部の学生は主専攻に加えて選択できるコースとなっているため,サブコースと呼ばれています。

ESD サブコースは,三つの大きな特徴を持っています。ひとつには,ESD に求められる課題の多様性に対応し,文学部の「新しい倫理の形成」,「リスクマネージメント・防災」,経済学部の「持続可能な経済活動」,農学部の「食農実践」,発達科学部の「人間の変革可能性」など4つの学部の特色を生かした多様な領域からの学びが用意されています。

次に,学生のみなさんは,地域社会の個々の活動現場に出かけ,学外の人々と連携しながら実践活動への参画(アクション・リサーチ)を通して,持続不可能な社会や仕組みの問題性あるいは解決の方向性を探究することになります。学外のフィールドに出かけ現場での学びやワークショップなど参加・体験を重視しています。そして,4年間で関連科目を含め14 単位を取得することで,卒業学位とは別に「ESD プラクティショナー」として認証を受けることができます。こうした特徴的な仕組みのなかで,個別の専門知識に偏らない複眼的な視点,実際の問題を解決する上で求められる組織・集団の調整能力,および問題を解決する意志とスキルを持った人材の養成を目標としています。

経済協力開発機構(OECD)が組織したあるプロジェクト報告によると「共に生きるための学力を身に付けて,人生の成功と,良好な社会を形成するための鍵となる能力」として,(1) 自律的に行動する能力,(2)社会的な異質の集団における交流能力,(3) 社会・文化的,技術的ツールを相互作用的に活用する能力の3 つの鍵となる能力を示しています。持続可能な開発のためには,一人ひとりが,世界の人々や将来世代,環境・社会・経済との関係性の中で生きていることを認識し,行動を変革する教育が求められていますが,ESD サブコースにおいても,この3 つの能力は重要な鍵となるものと考え,授業に取り組んでいます。

ESD (Education for Sustainable Development) とは

地球規模の環境破壊や,エネルギーや水などの資源保全の問題など,人々が現在の生活レベルを維持しつつ,次世代も含む全ての人々により質の高い生活をもたらすことができる社会づくりが重要な課題になっています。これを解決するため,日本政府の発案により,世界中で取り組むことが国連で決議された「持続可能な開発のための教育」のことを ESD (Education for Sustainable Development) といいます。

カリキュラム

主な科目

科目名科目概要
ESD実践論参加型授業を進める上でも重要なワークショップを企画し運営するために,ファシリテーションやファシリテーターとしての実践的なスキルを学び,ESDの支援・推進方法を探る。
ESD演習II(環境発達学)フィールドでのアクション・リサーチが通年となるため,前期ESD演習Ⅰから継続し開講している。複数学部で運営しているESDコースの特徴を生かし,文学部・経済学部のESD演習生と合同での交流発表会も企画されている。
ESD演習I(環境発達学)ESD(持続可能な開発のための教育)に関連するフィールドにおいてアクション・リサーチ(仮説探求・仮説検証型研究)を行い,ESDの進め方や原理などを考究する。
ESD論ESD(持続可能な開発のための教育)について,4学部の多様な観点から学ぶ。一部フィールドに出かけ実地の体験をする。

参考リンク

Updated: 2011/06/07 (Tue) 15:48