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「あーち通信」編集会議

[事後] 報告

写真
あーち通信
実施日時
2007年10月~2008年2月 (毎月1回)
実施場所
のびやかスペース あーち
内容
毎月発行する「あーち通信」の編集活動
参加者
あーちの利用者、神戸大学の院生・学生、あーちの教職員など
備考
本活動は、大学院GPプロジェクト「正課外活動の充実による大学院教育の実質化」 (2007~2009年度)実践活動支援グループの事業になります。

参加院生の感想

私は、2007年10月より2008年2月まで、神戸大学大学院サテライト施設「のびやかスペース あーち」が毎月発行する「あーち通信」の発行に編集長として参加した。月に一度開催される「あーち通信編集会議」では、参画者が持ち寄った記事を、全員で校正できるよう司会進行役を務めた。また、出来上がった紙面を編集・印刷する作業にまで関わった。

この編集会議は誰にでも開かれている場なので、飛び入りも可能である。以前、「ふらっと・あーち」で遊んでいた乳児の母親が参加して、出来上がった紙面に対する改良点を指摘したことがある。このように、誰もが自由に参加し、思った疑問点を素直に出しあえる場は、大人になると成立しにくいし、また大学という一方向な教授中心のなかでは、なかなか経験出来ないことではないかと思われる。

当初「あーち通信」は、運営担当者である2人の教員でほとんどの紙面を構成していた。大学が提供している施設ではあるが、その理念には、「あーち」を利用する多様な人々の視点が重視される場であることが包含されていた。そのことが次第に周知され、回数を重ねるうちに、学生や利用者などさまざまな人が参加するようになってきた。例えば、私がボランティアとして関わってきた『障害児・者の居場所づくり』に利用者として参加していた障害のある子どもの母親がいた。その母親は、現代社会では障害のある子どもが暮らしづらいということを日頃から痛感しており、その思いをイラストに描いていた。私はその思いに共感し、そのイラストを紙面に毎回載せることで、社会にある障害児・者への偏見が少しでも軽減できるように働きかけてきた。

また、「あーち」は、子育て支援の施設であるため、子育て中の母親がエンパワーメントされる場でもある。そこで、常連であった親子連れの利用者に、『突撃ママ隊』として、地域の子育てに関する情報を集めてもらい、それを連載記事として掲載してきた。さらに紙面には、その月のイベントも取り上げることも試みた。教員からのアプローチもあって、昨秋には季節を加味したどんぐり遊び、そしてクリスマス企画、年末恒例の大掃除、博物館の実習、障害のある人の当事者や母親を含めた学習会の特集記事も掲載した。

院生として「あーち通信」の編集会議や紙面づくり作業に携わってきたことで、私自身がエンパワーメントされたことが、正課外活動としての大きな成果である。そして、自分の学びのテーマである「大人の学び」とは、多様な人との関わりなかで実践することによって、実現される生きた学びであるということを実感した。『障害児・者居場所づくり』に参加しているだけでなく、編集会議に出て様々な分野のことを情報として得られたからこそ、インクルーシヴな学びの意味をより多角的に多様に学ぶことが出来たと感じている。

清水 伸子 (成人学習論コース M2)

Updated: 2008/09/18 (Thu) 20:26