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フォーラム「理系AO入試が開く科学者へのトビラ」へようこそ

科学の楽しさとは何でしょうか? それは“発見”の楽しさではないでしょうか。ある「謎」が解けたときの驚きと感動は、その人だけが経験できる特別なものです。この特別な経験は科学者への道の始まりです。高校生までに科学の楽しさと喜びを知っているあなたは、科学者として必要不可欠なものをすでに持っています。

近年、国レベルの新たな科学教育施策によって、SSH (スーパーサイエンスハイスクール) の取組を始め、各学会レベルでのジュニア・セッションや種々の科学賞やなどの取組が充実するようになり、多くの高校生が積極的に研究的な活動に打ち込み、21世紀の科学者への資質を身につけています。

しかし、研究に打ち込むことと、大学入試を突破することは必ずしも勉強方法が同じではありません。現在の大学一般入試のシステムは、科学者となる潜在的な能力をもった人が研究に打ち込む機会や意欲を減少させてしまうかもしれません。そこで、研究に打ち込みながら、大学入試を突破し、科学者への道を広げる試みとして、工夫を凝らした理系AO入試が多くの大学で行われるようになっています。

どのようなAO入試が科学者への扉として用意されているのでしょうか。また、科学者になるために必要不可欠な基礎学力は、いつ、どこで、どのようにして身に付けていったらいいのでしょうか。いずれにしても、科学の楽しさを早い段階で知っていることは、その後の研究活動を続けるより強い原動力となるはずです。

このフォーラムでは、理系AO入試を行っている大学からのメッセージ、科学賞受賞経験者や理系AO入試で大学に入学した先輩たちからのメッセージ、さらに高校で研究活動を指導しておられる方からのメッセージをお伝えしたいと思います。これらのメッセージは、日々研究に打ち込みながらこれから大学へ入ろうとする皆さんに向けたものです。メッセージを受け止めて、理系AO入試を通じた科学者への道とはどんなものか、イメージしながら考えてみませんか。

神戸大学発達科学部では、これまで3年にわたって、主として高校と大学の教員を対象とした「理系AO入試を通じた高校と大学の接続」ワークショップを開催してまいりました。今回は、それを引き継いで、科学者への道をめざす高校生やその先輩たちも一同に会したフォーラムとして、新たな装いのもとに開催することにいたしました。大学関係・高校関係の参加者の間での相互の情報交換や学び合いとともに、高校生・大学生を交えた交流の機会としていただければ幸いに存じます。それらを通じて、信頼できるAO入試の制度設計と、高校や大学における科学者育成プログラムを実践する上での何らかのヒントを、多くの方につかんでいただけば幸いです。


靑木 務 (神戸大学発達科学部長)

Updated: 2009/02/16 (Mon) 12:25