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神戸大学大学院人間発達環境学研究科 心身発達専攻 【博士課程前期課程】 健康発達論コース/【博士課程後期課程】 健康発達論分野

ヘルスプロモーション研究の最高峰

ヘルスプロモーションとは,人の健康に関わる環境要因と個人要因への働きかけを意味しています。前者が健康政策を含む「環境づくり」であり,後者が「健康教育」です。そして,私たちスタッフの共通のキーワードが「一次予防」です。健康を損なった人の治療や回復に関係する「二次予防」や「三次予防」はもちろん重要ではありますが,一般的には多くの費用を要しますし,費用の割には効果もそれほど大きくはありません。また,病気やけがで苦しんでいる間は,QOL(生活の質)も大きく低下します。こうした点を考慮して,私たちスタッフは,そもそも病気やけがをしないようにすること,あるいは現在の健康レベルをさらに高めることを目指す「一次予防」を重視しています。

具体的な研究としては,人を取り巻く様々な環境要因が人の健康や発達,あるいは健康に関わる考え方や行動に及ぼす影響とそのプロセスを明らかにすること,そうした知見に基づいて具体的な健康教育プログラムを開発し,その有効性を検証し,広く普及する活動などがあります。このような一連の研究を包括的に推進するため,私たちのコースでは,医学・生理学や心理・行動科学など基礎的研究から健康教育学などの応用まで幅広くカバーする一線のスタッフが揃っています。

私たちスタッフは,科学研究費をはじめとする外部資金を毎年のように獲得していますし,国や地方自治体の各種委員会の委員長や委員を数多く務めています。また国レベルのヘルスプロモーションや健康教育関係の学会において重要な役割を果たしています。以上のことからも,「ヘルスプロモーション研究の最高峰」というキャッチコピーは決して誇張ではないと自負しています。

大学院生の声

「健康」について幅広く,かつ深く,探求する

写真
鄔妍 さん(前期課程2 年生)

私は,他大学で心理学を専攻し,ストレスについて研究してきました。特に,育児によるストレスが,児童虐待やうつ病などの社会問題や心理的な病を引き起こすことが少なくないということを,卒業研究で報告しました。現代社会において,ストレスは多くの人に関係する深刻な問題です。人は過度のストレスを受けると,過食や飲酒,喫煙のような不健康な行動によってストレスを解消する傾向にあります。そこで,「ストレス」についてさらに深く研究するために,健康科学に関する教育・研究の環境が整っている健康発達論コースに入ることを決めました。 現在は,ストレスと食行動の因果関係について,文献を読んだり,実験を行っています。この研究科には様々な分野の研究者が集まっており,分野を超えて多くの先生や先輩からアドバイスをもらって日々研究しています。多くの人に出会い,支えられ,充実感と幸せを感じる毎日です。

過去版

スタッフとカリキュラム

スタッフと研究分野・研究テーマ

氏名職名担当研究分野・研究テーマ
加藤 佳子
(かとう よしこ)
准教授前期課程
-
【健康教育,健康心理学】
心や体の健康に関する人の行動を探り,健康行動の獲得に関連する要因について解明し,HR-QOLとWell-beingの向上をめざしています。
川畑 徹朗
(かわばた てつろう)
教授前期課程
後期課程
【健康教育,ヘルスプロモーション】
思春期の様々な危険行動と関連が深いセルフエスティームなどのライフスキルやメディアリテラシーの形成に焦点を当てたプログラムの開発と評価研究を行っています。
田中 洋一
(たなか よういち)
教授前期課程
後期課程
【健康科学,生態学】
足と靴の現状分析と未来像の構想。足と靴のベストマッチな条件とは。現代必須ギアとしての靴のあり方。靴を常用した場合の全身的影響等について研究しています。
辻本 悟史
(つじもと さとし)
准教授前期課程
後期課程
【認知神経科学,健康行動科学】
「こころ」を脳内の物質現象として捉え,心理学と脳神経科学を組み合わせて,心身の健康の維持・増進および発達を追求しています
中村 晴信
(なかむら はるのぶ)
准教授前期課程
後期課程
【公衆衛生学】
生活習慣と疾病予防や健康増進との関係について,疫学調査と実験を組み合わせて,健康問題に関するメカニズムの解明について研究しています。

主な授業科目と概要

【博士課程前期課程】 健康発達論コース

科目名科目概要
健康教育学特論I理論を導入した健康行動や健康教育に関連する研究論文のレビューを行い,健康行動の変容のための知見獲得につながる研究を行う能力を養う。
健康行動学特論I健康教育/ ヘルスプロモーションに関する専門的文献を講読し,研究を遂行するのに必要な基礎的研究能力の形成を目指す。
小児健康発達学特論I子どもの心身の健康な発達に関して,特に脳と心の問題に焦点を当てて最新の研究動向を概観し,各自の研究に生かすことを目標とする。
健康生態学特論I健康に関わる衣・食・住の衣の中で,特に靴文化を取り上げ,その歴史的意義,現状と問題点等について,自分自身の視点で学ぶ。
健康増進科学特論I健康科学を研究するに当たり,多数の人を対象にして調査することは必須の手段となる。そのために必要な手法としての疫学について学ぶ。
ヒューマンコミュニティ創成研究ヒューマンな環境形成の条件や前提,問題群等への理解を深め,博士課程前期課程での個別の専門領域での学習・研究のための基本的な視点を養う。

【博士課程後期課程】 健康発達論分野

科目名科目概要
*健康行動学特論II健康教育とヘルスプロモーションに関する学位論文を執筆するに当たって必要な能力(文献収集及びレビュー,調査実施,統計解析,論文執筆,プレゼンテーション等)の向上を図る。
*小児健康発達学特論II子どもの心身の健康に関して,脳と心に関する最新の研究動向を踏まえた高度な議論を行い,受講者各自の研究に活かすことを目標とする。
*健康生態学特論II「健康生態学特論I」で学んだ事柄を,フィールド調査,実験等の手法を使いながら検証を行い,問題解決のための戦略的対策の構築を学ぶ。
*健康増進科学特論II健康増進に関して最新の研究動向を踏まえた高度な議論を行い,受講者各自の研究に活かすことを目標とする。
*教育能力養成演習大学教員としての教育能力・教育資質の開発を目指し,指導教員の指導監督のもとで,専門領域の基礎的内容を取り扱う学部の講義科目の「模擬授業」を実施する。

修了と進路

修士論文テーマ

健康発達論コースの修士論文テーマをご覧ください。

主な進路

健康発達論コース 修了生の進路 (神戸大学大学院人間発達環境学研究科博士課程前期課程心身発達専攻)をご覧ください。

専修免許の取得状況

健康発達論コース 資格免許の取得状況をご覧ください。

コースサイト

Updated: 2011/06/24 (Fri) 16:27