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神戸大学大学院人間発達環境学研究科 人間環境学専攻 【博士課程前期課程】 数理情報環境論コース/【博士課程後期課程】 数理情報環境論分野

情報環境に本気で取り組む人のための数理に根ざした高度の専門性

情報環境が多様化・高度化する現在,企業ばかりでなく地域・教育機関等さまざまな分野において,情報化を推進する中で遭遇する問題に対処できる人材が必要とされています。情報環境のような知的環境においては,さまざまなソフトウェアやIT 機器を効果的に利用しながら,対象を適切に定式化して問題の解明にあたることが問題の解決に向けての重要な柱であり,さらに数理的手法の利用により,問題の定式化の精度及び解決策の信頼性を高めることが求められます。本コースでは,このような視点に基き,数理科学に対する高い専門性を身に付け,情報環境の多様化・高度化に対応して情報環境における諸問題に有効な解決策を提供することのできる人材を養成します。上記の目的を意識して,伝統的な数学に根ざしてはいるが,特に情報環境に関わる諸側面の解明に有効と思われる数理科学の諸分野を重視した授業科目が設定されています。学生は,これらの授業科目の履修を通して,複雑に入り組んだ情報環境に対処するための高度な数理的理論と手法を身につけます。授業科目の履修と同時に,指導教員との綿密な連携の下で具体的な研究プロジェクトを企画・実施することが要求されます。このプロジェクトを遂行する中で,理論を実際の問題の解決のために活用することを体験し,理論に関する知識を生きた素養へと発展させます。日々進化する情報環境に本気で取り組もうという学生を待っています。

大学院生の声

「もっと頑張ろう!」成長できる講義と研究環境

写真
渡邊めぐみ さん(前期課程2 年生 )

大学院では相対性理論や宇宙論の基礎となる微分幾何学の勉強をしています。学部時代に「トポロジカル宇宙」という本を読み,幾何学に興味を持ったのがきっかけです。現在勉強中ですが,将来的に宇宙空間の幾何学的構造を理解するきっかけになると思うと,ゼミは毎回とても楽しくて充実しています。学部の講義との大きな違いの一つは,大学院生が演習や発表をする時間が多いことです。そのため,予習にはかなり時間がかかりますが,発表が終わった後は達成感があります。また他の大学院生の発表を聞いて,自分と違う考え方や問題の取り組み方に感心したり刺激を受けたりすることが多く,『自分ももっと頑張ろう』と思えます。数理情報環境論コースには現在16 名の大学院生がいますが,一人一人が魅力的な人ばかりで,私は日々多くの人から影響を受けています。これからもお互いに刺激しあいながら成長していきたいと思います。

過去版

スタッフとカリキュラム

スタッフと研究分野・研究テーマ

氏名職名担当研究分野・研究テーマ
稲葉 太一
(いなば たいち)
准教授前期課程
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【数理統計学,応用統計学,データ解析】
統計手法は,その適用分野によって異なる側面があります。例えば医学統計の分野では,多重比較法という手法があり,その適用範囲を広げる事を研究しています。
桑村 雅隆
(くわむら まさたか)
准教授前期課程
後期課程
【応用解析学】
物理学,化学,生物学などに現れる非線形微分方程式を分岐理論や力学系理論とコンピュータシミュレーションを利用して調べています。
阪本 雄二
(さかもと ゆうじ)
准教授前期課程
後期課程
【数理統計学】
ポアソン過程や拡散過程などの確率過程に関して,その漸近分布論と統計的漸近理論,およびその数理ファイナンス・保険数理への応用の研究を行っています。
高橋 譲嗣
(たかはし じょうじ)
教授前期課程
後期課程
【数理論理学】
数理的方法全般の数理論理学的手法を用いた理論的考察,及び論証による証明を効率よく理解し,且つ正しく書くために有効な実践的知恵の体系化に取り組んでいます。
髙橋 真
(たかはし まこと)
教授前期課程
後期課程
【情報論理学】
無限ブール代数のゲーム論的性質およびモデル検査ツールを用いたシステムの信頼性検証について研究をしています。
長坂 耕作
(ながさか こうさく)
准教授前期課程
後期課程
【計算機代数】
数式処理の理論研究 (主に数値・数式融合計算) とその効率的な実装方法や情報システム (主に数式処理システム) を活用した他分野への展開について研究しています。
宮田 任寿
(みやた たかひさ)
教授前期課程
後期課程
【幾何学的トポロジー】
Shape理論 (局所的に複雑な図形や空間への幾何学的なアプローチの方法) とそのフラクタル幾何学への応用,様々な次元について研究しています。

主な授業科目と概要

【博士課程前期課程】 数理情報環境論コース

科目名科目概要
統計解析特論計算機集約型統計手法であるEM アルゴリズムとマルコフチェーンモンテカルロ法の基本的な考え方と数学的な背景について解説する。
統計推測特論統計解析の手法の中で多変量解析という手法は,データが多次元である事による困難がつきまとう。この講義は,行列を用いた表現でこの困難を回避する。
情報数理方法特論I数理的理論を複雑な情報構造系として理解し,その構成要素間の情報関係を正確かつ効率的に管理・操作するための方法論を扱う。
情報論理学特論Iブール代数や様々な論理体系について考察し,情報科学に現われる種々の体系・構造を数理論理を用いて形式的に処理するための方法論について解説する。
非線形数理特論I物理学,化学,生物学に現れる非線形微分方程式を解析するために必要な分岐理論,力学系理論の基礎を解説する。
数式処理特論I数式を使って多様な計算ができる数式処理システムで使われる計算アルゴリズムを修得することにより,様々な手法に現れる数式の取り扱い能力を育てる。
応用幾何学特論I幾何学的トポロジーの中から代数的な手法,コンピュータを用いたホモロジー群などの計算方法,不動点問題,フラクタル幾何学などについて解説する。
ヒューマンコミュニティ創成研究ヒューマンな環境形成の条件や前提,問題群等への理解を深め,博士課程前期課程での個別の専門領域での学習・研究のための基本的な視点を養う。

【博士課程後期課程】 数理情報環境論分野

科目名科目概要
*応用統計解析特論エッジワース展開などの確率分布の高精度近似法について解説する。さらに,推定の漸近効率,情報量,ブートストラップ法の理論的背景を解説する。
*非線形数理特論II非線形数理における分岐理論,力学系理論に関してより発展的な内容について解説する。
*情報論理学特論II無限ブール代数と集合の世界の構造との関係について, ブール代数のゲーム論的性質を中心に解説する。
*情報数理方法特論II事象を数理的にモデル化し,論証を用いて定理を証明するという数理的方法の理論化及び実践にかかわる諸問題を扱う。
*応用幾何学特論II幾何学的トポロジーにおけるシェイプ理論に関して,概要と応用について解説し,最近の話題について紹介する。
*数式処理特論II計算機代数の中から,先天的な誤差を係数に持つ多項式の取り扱いを中心に,近似GCD や近似因数分解などの数値・数式融合計算について解説する。
*教育能力養成演習大学教員としての教育能力・教育資質の開発を目指し,指導教員の指導監督のもとで,専門領域の基礎的内容を取り扱う学部の講義科目の「模擬授業」を実施する。

修了と進路

修士論文テーマ

数理情報環境論コースの修士論文テーマをご覧ください。

主な進路

数理情報環境論コース 修了生の進路 (神戸大学大学院人間発達環境学研究科博士課程前期課程人間環境科学専攻)をご覧ください。

専修免許の取得状況

数理情報環境論コース 資格免許の取得状況をご覧ください。

コースサイト

Updated: 2011/06/24 (Fri) 16:29