「理系AO入試を通じた高校と大学の接続」懇談会の開催にあたって
近年、高校において、課題研究を積極的に導入するなど、新しい科学教育の実践が盛んになってきました。そこで磨かれる資質は、将来の科学者にとって重要であるにも関わらず、従来の大学入学試験では評価しにくい性質のものです。そこで、では、そのような資質をもった学生を受け入れるために、2006年度より、ポスターセッションによるアドミッションオフィス (AO) 入試を開始いたしました。今後も引き続き、このAO入試自身をよりよいものに改善していくこと、入学後の学士課程教育においてよりよい科学者育成プログラムを開発すること、またこれらを通じて、高校における特色ある取組とのよりよい接続を図って行くこと、などを目指したいと考えています。
そこで、来る2008年6月28日 (土) に、高校関係者、大学関係者、その他の方々にお集まりいただき、ざっくばらんに意見の交換できる懇談会を開催したいと存じます。この懇談会では、日本学術会議第三部の「若手・人材育成問題検討分科会」の委員としてご活躍の覧具博義先生に、若者の理工系離れの世界的な動向と、米国の高校や大学での教育改革の動きも含めて話題提供をしていただいきます。その後、21世紀の科学者を育成に向けた高校での特色ある教育、高校と大学をよりよく接続するためのAO入試のあり方、大学教育のあり方について、自由に意見を交換する場を設定いたします。この問題に興味を持つ多くのみなさまの参加を歓迎いたします。
神戸大学発達科学部では、これまで、2006年3月21日に「理系AO入試を通じた高校と大学の接続」シンポジウムを開催いたしました。それに引き続いて、2007年3月と2008年3月に、同ワークショップを開催し、関連する具体的な問題についての知見を深め、討論を行う機会を持ってまいりました (プログラム等の記録については、http://www.h.kobe-u.ac.jp/1610 をご参照ください)。今回の懇談会が、これらで得た知見も踏まえ、より自由に意見を交換できる場となれば幸甚です。
神戸大学発達科学部長 靑木 務
同 人間環境学科長 白倉 暉弘
懇談会世話人代表 蛯名 邦禎
Updated: 2010/10/19 (Tue) 10:44