本ウェブサイトは2012年3月末をもって閉鎖いたしました。このページに掲載している内容は閉鎖時点のものです。[2012年3月]

「ESDシンポジウム イン KOBE」: 開催報告

2009年3月7日 (土): プレセッション

写真
ポスターを前に各テーマについて説明
写真
ワールド・カフェ・ワークショップ

初日の7日は、神戸大学の六甲ホールにて、2つのセッションに分けて行われました。プレセッション1では、「知りたい! ESD in KOBE」というテーマのもと、展示したポスターを前にムハマド・ユヌス氏、賀川豊彦氏の活動やマイクロファイナンスの仕組み、ESDについての説明を行いました。

約100名の参加者の方々には各班のブースを20分ずつまわって頂きました。説明をするにあたり、事前に約25名の学生は数ヶ月にわたって「ムハマド・ユヌス氏」、「賀川豊彦氏」、「マイクロファイナンス」、「ESD」の4つの班に分かれて両氏の著書を読んだり、賀川豊彦献身100年記念事業 神戸プロジェクトの方々のお話を聞いたり、論文や文献を読み、議論することで研究を重ね、その内容をポスターにまとめました。プレセッション1では多岐にわたる分野で活躍されている参加者の方々と直接意見を交換し、お話をすることで、これまでの学生の研究では気づかなかった新たな観点と出会うことが出来て、専門を超えた幅広い領域の学習というものを肌で感じることができました。

続いてプレセッション2では、「深めよう! ESD in KOBE」として、5、6名ごとの十数グループに分かれてテーブルを囲み、「なかま ~つながり~」をテーマに「ワールド・カフェ・ワークショップ」を行いました。はじめに自由に構成されたグループをホームと呼び、ホームにまず名前をつけ自己紹介をすることから始まり、ホームでテーマについて思い思いに話し合いました。その後、2回のツアーを行い、ホームに帰ってきてそれぞれが2回のツアー先で出会った人、意見、テーマについての考えを共有する時間を持ち、参加者が楽しく語り合うひとときとなりました。初めは初対面の方々とうまく話せるか、不安もありましたが、プレセッション1での話や参加者の方々が自分なりの見解をお持ちで、楽しいお話をたくさん聞くことが出来て、大変充実した時間を過ごすことが出来ました。参加者の皆様ともっと多くの時間を共有し、お話をしたいと思う素敵なカフェになりました。

2009年3月8日 (日): メインセッション

写真
神戸国際会議場メインホール
写真
対談: 左から上野谷氏、阿部氏、ユヌス氏

8日は、ムハマド・ユヌス氏が「持続可能な社会づくりとソーシャルビジネス」について基調講演し、横須賀基督教社会館会長の阿部志郎氏が「ESD実践の草分けとしての賀川豊彦」と題して講演しました。次いで、同志社大学教授の上野谷加代子氏の司会で、両氏が「ESDに資するソーシャルワークの現在・過去・未来」をテーマに対談しました。会場の神戸国際会議場メインホールは、約700人の参加者で満席になりました。

2009年3月9日 (月): 神戸大学学生とユヌス氏とのトークセッション

写真
ユヌス氏を囲んでのトークセッション
写真
記念写真

9日は、ソーシャル・ビジネスの先駆者であるムハマド・ユヌス氏を六甲ホールにお招きし、学生がユヌス氏を囲み、約2時間にわたり、終始和やかなムードでトークセッションを行いました。トークセッションは2部に分けて行われ、前半では主にソーシャルワーク、ソーシャル・ビジネス、グラミン銀行について話す場を持ちました。「ソーシャルワークとソーシャル・ビジネスの関係」、「ソーシャル・ビジネスにおいて傍観者が解決の主体になる方法について」、「グラミン銀行の成功の秘訣や残された課題について」「ソーシャルワークの可能性」、「日本がアメリカほどソーシャル・ビジネスやソーシャルワークが広がっていない理由」「グラミン銀行の行員の採用について」など著書を読んでもわからない裏話のようなものまで丁寧に答えてくださいました。

後半は一問一答形式で短く多くの質問に答えて頂きました。ユヌス氏自身のことや、人間関係のこと、経済に関してのユヌス氏の考え、ユヌス氏の趣味やストレス解消法、忙しいなかでどのようにコミュニケーションをとっているか、など多岐にわたる質問に答えて頂き、最後には学生に対しての「学生は自由であることを活かして自分が何をやりたいのかを明確にして、実践する。自分のやりたいことは自分で決める。そういったことが大切だ。」といったメッセージも頂きました。トークセッション終了後には、野上智行学長からユヌス氏に神戸大学名誉博士号が授与され、ユヌス氏の記念スピーチが行われました。ソーシャル・ビジネスを実践し、成功させたユヌス氏との直接の対談という本当に貴重な時間を持つことが出来ましたが、もっと多くの時間お話ししたかったです。ユヌス氏がトークセッションを通して一貫しておっしゃっていた「自分のやりたいことを自分で決定することが大切だ。」という言葉がとても心に響き、印象的でした。

その他の報告

Updated: 2009/03/30 (Mon) 18:10