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神戸大学大学院人間発達環境学研究科 人間表現専攻 【博士課程前期課程】 コミュニティアートコース/【博士課程後期課程】 表現創造論分野

芸術と生活を新たな視点で統合することを目指します

描く,作る,歌う,演じる,こういった人間の表現行為は,従来,言葉を超えた存在とされており,それ故そういった表現に内在する思想や哲学,創造性に焦点をあて研究することは困難が伴いました。

絵画や彫刻の制作,音楽の作曲や演奏,そして舞踊や身体表現など,自らも表現者として豊かな実践経験を持つ教員によって構成されるコミュニティアートコースは,その確かな実践理論の上に立って,敢えてこの困難な課題に挑戦し,独自の表現学の構築を目指します。実践行為の探究による表現学の構築と,実践論を社会に作用・展開させる方法論の開拓,これは他大学・研究機関にはない神戸大学独自の研究分野といえるでしょう。

また一方,現代社会において芸術的行為は,いわゆるハイアートのみならず,生涯教育,パブリックアート,療法などの分野で発展しており,クオリティ・オブ・ライフ,いわゆるQOL を重視する福祉社会が実現するにつれ,それらの需要,必要性は高まると考えられます。本コースでは,未だ分野として明確に成り立っていない諸領域を一元的に扱うことにより,将来的な発展を先導します。そして,地域社会において芸術に関わる生涯教育のファシリテ-タ-や指導者の育成,あるいはそれと関係した音楽療法などの実践研究,及びコミュニティアートとしての新しい芸術形態の創造開発を目的とした教育研究を行ないます。

大学院生の声

自分に挑戦できる。アクティブに動いてフィールドを広げる。

写真
石名智子 さん(前期課程2 年生)

コミュニティアートコースでは,理論と実技の両面から身体表現の追究を目指していますが,1 年生では特に実技面に力を注いできました。私は,ベルギーの舞踊学校P. A. R. T. S. の最終選考に残り,現地まで受験に行ったり,「ダンスの時間」という公演に出演し,発達科学部の後輩達と作品を創作・発表しました。また,工学研究科の大学院とも協力し,オーストリアで行われた「アルス・エレクトロニカ」に参加し,最先端技術とアートを融合させ,200 個ものLED を縫い付けた衣装で踊る『LightingChoreographer』というパフォーマンスを披露しました。このようにアクティブにフィールドを広げられたのも,神戸大学が多くの学部・研究科を有する総合大学であるという魅力とともに,先生の大きなサポートであると深く感謝しています。大学院へ進学したからこそ,多くの刺激を受け,成長できているのだと感じています。この1年の経験を活かして,2 年生では修士論文に向け理論と実技を相互にフィードバックさせ,双方の一層の充実を目指しています。

過去版

スタッフとカリキュラム

スタッフと研究分野・研究テーマ

氏名職名担当研究分野・研究テーマ
岸本 吉弘
(きしもと よしひろ)
准教授前期課程
後期課程
【絵画表現】
近代以降の絵画表現を造形的な視点より分析し,それらを継承する形で現代性を俯瞰,それらに対称化される「日本」という存在を見つめています。
斉田 好男
(さいだ よしお)

[2012年3月末で退職予定]
教授前期課程
後期課程
【指揮(オペラ,管弦楽,吹奏楽,合唱)】
「指揮を通してのコミュニケーション」音楽表現を指揮者的立場から研究しています。多くの分野にわたる音楽表現について,効果的な表現方法を探求しています。
佐々木 倫子
(ささき ともこ)
教授前期課程
後期課程
【声楽】
歌曲における朗唱法に関する研究,特に日本歌曲,ロシア歌曲,ドイツリートにおいて「語る」と「うたう」の差異を明確にしつつ表現法を研究しています。
関 典子
(せき のりこ)
講師前期課程
-
【舞踊学,コンテンポラリーダンスの創作と研究】
舞踊は有限の身体や動きという儚いものを媒体とする芸術です。その「現在性」にこだわり,表現・研究活動をフィードバックしながら探究しています。
田村 文生
(たむら ふみお)
准教授前期課程
-
【作曲,編曲,西洋芸術音楽を中心とした作品研究】
20世紀の西洋音楽を中心とした音楽語法の分析や,様々な演奏形態における音楽の新しい表現手法の開拓と創造に取り組んでいます。
塚脇 淳
(つかわき じゅん)
教授前期課程
後期課程
【美術,彫刻】
私たちは西洋から何を学び何を受け入れ何を自分たちのものとしてきたのか,20世紀美術を代表する作家や表現を様々な角度から考察・検証し,「彫刻」を思考しています。
坂東 肇
(ばんどう はじめ)
教授前期課程
後期課程
【器楽(ピアノ,室内楽)】
演奏は生命の響きそのものであり,人間のすべてを映し出すものです。人間の個性や人格の発達と,その演奏との相関に興味があり,研究しています。
若尾 裕
(わかお ゆう)

[2012年3月末で退職予定]
教授前期課程
後期課程
【臨床音楽学,即興演奏】
臨床音楽学という立場から,従来の音楽療法の西洋中心性や近代性の批判を通した音楽療法の新しい考え方を模索しています (即興演奏や音楽学などを含む)。

主な授業科目と概要

【博士課程前期課程】 コミュニティアートコース

科目名科目概要
音楽集団活動特論オペラ,管弦楽,吹奏楽,合唱等,音楽活動の集団表現を中心とした研究,またそれら集団活動が社会に果たす役割についての考察も行う。
音楽療法特論I臨床音楽学やその関連領域における研究を進める上で必要な基礎知識について,講義,文献講読,ディスカッションを通して学ぶ。
現代彫刻特論変態する人間(芸術家変態論)。芸術家は創作活動の中で,ある時,飛躍的な変化を遂げることがある。その時作家に何が起こったのか,その変貌期について考察する。
声楽表現特論年度ごとにテーマを決め,様々な角度から声楽表現法を研究し,表現するとはどういうことかを議論し深めていく(例えば,2010 年度は,H. Wolf 作品)。
器楽表現特論音楽を聴いて感銘を受けた経験を持ち寄り,その音楽のどこに感銘を受けたのか一つずつ検討し,その内容を共有・考察する事を通して音楽の内実に迫る。
現代絵画特論I日本にモダニズム絵画は存在したのか?西洋近代絵画をフォーマリズム的視点より見つめ,それらに対称化される日本の絵画像とその問題点に迫る。
音楽創造特論19 世紀末から20 世紀前半にかけての西洋芸術音楽を,「曖昧さ」という観点で実証的に分析し,その実態を構造的側面から把握する。
音楽作品研究特論前期の「音楽作品研究特論」を踏まえ,組織的・非組織的両側面から,自らの作品を創作することによって,より実際的な音楽把握を試みる。
舞踊表現特論I総合芸術としての舞踊の特性について,他ジャンルとのコラボレーション,古典作品の新解釈などをトピックとして,具体的な事例を取り上げ考察する。
ヒューマンコミュニティ創成研究ヒューマンな環境形成の条件や前提,問題群等への理解を深め,博士課程前期課程での個別の専門領域での学習・研究のための基本的な視点を養う。

【博士課程後期課程】 表現創造論分野

科目名科目概要
*音楽史特論II近現代の音楽史,音楽文化からトピックを選び,内外の文献を精読する。後半はレポートを作成し,その論評を土台に議論を深める。
*音楽療法特論II作ることと思考することが繰り返されることによって練り上げられていく造形の世界。そこに潜む「表現(者)の論理」について,様々な知見を援用しながら考察する。
*教育能力養成演習大学教員としての教育能力・教育資質の開発を目指し,指導教員の指導監督のもとで,専門領域の基礎的内容を取り扱う学部の講義科目の「模擬授業」を実施する。

修了と進路

修士論文テーマ

コミュニティアートコースの修士論文テーマをご覧ください。

主な進路

コミュニティアートコース 修了生の進路 (神戸大学大学院人間発達環境学研究科博士課程前期課程人間表現専攻)をご覧ください。

専修免許の取得状況

コミュニティアートコース 資格免許の取得状況をご覧ください。

Updated: 2011/06/24 (Fri) 16:29