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高校と共に授業を作る ~県立明石清水高校「科学と人間」コース~: 報告2

六條 宏紀 (人間発達環境学研究科 人間環境学専攻 自然環境論コース)

活動内容

「科学と人間」の授業で私が行った内容を紹介します。

1. 講義 + 実験 (50分 x 2コマ)

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授業の様子1
物理の歴史
ケプラー、ガリレオ、ニュートンなど、物理学が形作られるまでのお話をしました。「科学者は探偵。自然は大きな謎物語。」というアインシュタインの言葉を紹介しながら、すぐには何の役に立つのか分からない事だとしても、その中に「自然を理解する面白さ」があることを理解してもらえたと思います。
素粒子物理ってなに?
私の専門分野について紹介しました。丁度、ノーベル賞受賞のタイミングも重なって、最後まで集中して聞いてくれていました。授業後のアンケートには「クオークのことがよく分かった」という感想が目立ちました。彼らの中から、素粒子物理の道へ進む人が現れることを期待します。
宇宙線を観測しよう!
授業前日に、研究室にある実験装置を明石清水高校まで運びました。高校ではお目にかかれないとても高価な装置の数々 (持ち出しを許可して下さった担当教官に感謝!) に生徒達は興味津々でした。実際に装置に触れてもらいながら解説をし、授業の最後には、宇宙彼方から地上へと降り注ぐ“ミュー粒子”を全員で観測しました。

2. ゼミ (50分 x 2コマ x 2日 + 発表会)

テーマ「放射線について考える」
8人の生徒さんを受け持ちました。まず、放射線が私たちの身近な物からも出ていることを紹介し、検出器 (これも大学のもの) を持って校内の色々なところで測定しました。その後、放射線の危険性、利便性を各自調べてもらい、原子力発電についての議論をしました。放射線の知識や校内測定の結果などを模造紙にまとめて発表しました。彼らにとって10分間の発表は初めての事でしたが、プレゼンテーションの為の工夫を伝授した甲斐もあって、とても良い発表になりました。

まとめ

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授業の様子2

こちらがやりたいように、本当に自由に授業作りをさせて頂きました。授業準備や講義をする中で、自分の専門分野を分かりやすく伝える大切さ、難しさを痛感し、さらに自分の研究の楽しさを再確認することが出来ました。教員を目指している方も、そうでない方もきっとやりがいのある体験になるだろうと思います。

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Updated: 2009/04/21 (Tue) 16:02