神戸大学発達科学部 人間形成学科 教育科学論コース
教育や学校が今あるような仕方であるのはなぜだろう?
「科学・サイエンス」という言葉で皆さんが思い浮かべるのは,おそらく自然科学や科学技術のイメージではないでしょうか。しかし,この言葉の語源「スキエンティア」(ラテン語)は,「物事が今のような仕方であるのはなぜかについて知る」という意味なのです。私たち教育科学論コースがめざすのは,まさに,「教育や学校のいろいろな現象やあり方が今のような仕方であるのはなぜか,そしてそれは望ましいあり方か?」を問うことです。 皆さんは今まさに学校で教育を受けていますね。学校があり先生がいていろいろな教科の授業が行われる。このような皆さんにとって自明の教育のあり方は,実は,法律・制度・行政・財政のルールや枠組みに即して運営され,しかも,このような学校教育制度が成立したのは,人類史的に見ればごく最近のことにすぎません。また,各教科の内容はそれぞれ,やはり人類の長期にわたる思索,探究,試行の結果が凝縮されたものですし,それを教える先生の教え方についても,実にさまざまな理論や方法の探究の歴史があります。たとえれば,いくつもの長い川が合流した地点に皆さんの学校は立っていて,そこに皆さんがいるわけです。では,その「川」は今後どう流れていくか。それは皆さんにとってわからないだけではなく,実は私たち大人にもわかりません。でも,今よりももっとたくさんの豊かな水が活き活きと流れる川のあり方がきっとあるはずです。その「あり方」を皆さんと共に考えてみたい。それが,教育科学論コースのスタッフ一同の願いです。
学生の声
自分の興味,可能性をのばせるコース
津田康裕 さん(教育科学論コース4 年生)
教育科学論コースは,教育について様々なことを学べる,自由なコースとなっています。「教育」は経済,法律,政治,歴史など,様々な要素と密接に関係しています。これらをじっくりと考えることが出来るのもこのコースの特長となっています。私は,このコースで自分が興味,関心を持っていなかったところに出会い,今まで自分が気づいていなかった「教育」の持つ多様な側面に気づき,より広い考えを持つことが出来るようになりました。また,豊富な知識をお持ちの先生が温かく,そしてしっかりとサポートしてくれますし,自分が持つ可能性を引きのばしてくれます。他のコースの授業も選択することもでき,自分が興味をもっているところに関してより多く学ぶことができます。また,教員免許も取得できます。皆さんもこのコースで自分の持つ可能性に気付き,それをのばして行きませんか。
スタッフとカリキュラム
スタッフと研究分野・研究テーマ
氏名 | 職名 | 研究分野・研究テーマ |
---|---|---|
稲垣 成哲 (いながき しげのり) | 教授 | 【科学教育】 科学教育におけるテクノロジを利用した学習支援のための理論,方法,評価及び実践デザインの研究を行っています。 |
川木 冴子 (かわき さえこ) [2012年3月末で退職予定] | 講師 | 【日本語学,日本語教育】 談話の文法。近年,新しいタイプの教材開発を目指す中で,中級以上の,「読む」技能に資する文法を研究しています。 |
白水 浩信 (しろうず ひろのぶ) | 准教授 | 【西洋教育史】 教育の歴史人類学。〈教育〉とはそもそも何であったのか,人間の生きる営み全体のなかで,大人と子どもの関係行為として〈教育〉を捉え直すを行っています。 |
勅使河原 君江 (てしがわら きみえ) | 講師 | 【美術教育】 美術を通して子どもを理解し発達支援をする研究をしています。つまり,この研究は美術を通して子どもを知ることで,私たちは人間に共通する美について理解する事につながる研究なのです。 |
船寄 俊雄 (ふなき としお) | 教授 | 【日本教育史,教育学】 「子どもとは何か」「学校とは何か」「教師とは何か」「教育とは何か」,このような問いへの解答を歴史の中に求めて研究を行っています。 |
山口 悦司 (やまぐち えつじ) | 准教授 | 【科学教育】 現在,子どもから大人までが,いろいろな場所で「科学」を学んでいます。どうすれば,それらの科学の学びをよりよく支援できるのかについて研究してます。 |
山下 晃一 (やました こういち) | 准教授 | 【教育制度論】 教育制度改革論 (子どもの豊かな育ちの保障に向けて,地域が学校に関与するしくみや,学校内部で教職員同士が協働するしくみ等) に関する研究をしています。 |
吉永 潤 (よしなが じゅん) | 准教授 | 【社会認識教育論】 幼稚園の砂場のケンカから国際紛争まで (!?),他者とうまく共存していくのはなかなか難しい。どうすれば紛争は解決,または回避できるのだろう。 |
渡部 昭男 (わたなべ あきお) | 教授 | 【教育行政学(地域教育学,特別ニーズ教育)】 「学校」は個人的な体験と想い出の場に留まりません。特別ニーズ児を含む人間発達や地域創造の視点から教育行政の在り方を探求しています。 |
カリキュラム
教育科学論コースのカリキュラムをご覧ください。
卒業と進路
卒業研究テーマ
教育科学論コースの卒業研究テーマをご覧ください。
主な進路
教育科学論コース 卒業生の進路 (神戸大学発達科学部人間形成学科)をご覧ください。
主な資格免許の取得状況
教育科学論コース 資格免許の取得状況をご覧ください。
Updated: 2011/06/24 (Fri) 16:22