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社会貢献に向けて・・・


小田 利勝

(所属: 人間行動専攻 人間行動論講座、研究分野: 社会学・社会老年学)

写真
バングラデシュの首都ダッカの風景

社会貢献について書けと言われましたが、自分でこれこそは社会貢献といえるほどのことをしているわけではないので困りました。世のため人のために尽くされている方々には本当に頭が下がります。そうした方々はそのことを自分でレポートするようなことはしませんから、ますます書くことに躊躇してしまいます。社会貢献していますと大見得を切るのは営利企業や政治家に似合っていますが、もともと公益性の高い仕事をしている組織が敢えて社会貢献をしていると主張しなければならないのも不思議な話だな、と思ったりします。教育というのは公益性がとても高い仕事だと思いますが、教育機関がこぞって社会貢献を主張するのはなぜなのか、そして、いつ頃からかと思い、ちょっと調べてみました。私にとってはいろいろ興味深いことがありましたが、それはさておき、教師という職業柄、授業や学生指導を精一杯やることこそ社会貢献と思っていますが、学生がそう思ってくれなければ貢献度は低いことになるのでしょうし、研究していることが人々の生活や社会の改善に大いに役立っているかと言えば、力及ばずというところですから、お恥ずかしい次第です。じゃあ、お前は何も社会貢献していないのではないか、と詰問されれば、すみません、努力します、というのが正直なところですが、それではこのレポートの編集に尽力されている先生方にご迷惑をおかけすることになりますので、発達科学部が設けている社会貢献の評価項目に該当するところに少しばかり触れてご勘弁願うほかありません。

大学で教師をしていれば学会の理事や学会誌の編集委員、査読委員などを否応なしにやらざるをえませんし、学会大会や研究会、シンポジウム、セミナー、公開講座を主催したりそうしたことに参加することも義務的仕事として行ってきました。市民講座やNPO、政府関連機関等からの依頼で講演することや行政、NPOなどの学外委員も大事な仕事と思っていますので、本務である授業や学生指導に支障がない限りは行っています。最近のものでは、日本応用老年学の理事、学会誌編集委員、老年社会科学会の査読委員などがあります。とくに無報酬で相当の時間と労力を費やす査読委員は神経を使う骨の折れる仕事です。学会大会の主催では、来年の日本応用老年学会総会を大会長として神戸で開催します。テーマは「老年学的想像力」です。皆様のご協力・ご支援をお願いします。県内外で折々に講演していますが、継続的に行っているのは阪神シニアカレッジの講師です。学習意欲の高い高齢者の方々を前にしての講義には学生相手の講義とはまた違った緊張感があり、力が入ります。ある年度の国民生活白書のために内閣府での講演を依頼されたことがありますが、ずっと以前から私が行ってきた近隣関係の研究に関心が持たれたからです。神戸市灘区の高齢者ケアネットワーク会議には議長として参画し、高齢者虐待防止や高齢ケアについて様々な領域の専門家と行政担当者とで議論しています。NPO関係では、平成16年から特定非営利活動法人日本福祉カウンセラー協会の副会長をしています。名前も所属組織も明かすことができないことになっていますが、某国際賞の推薦人を10年以上前から務めています。学外への学術情報の提供では、マスメディアから依頼された時には極力応じるようにしています。ラジオ局の日曜番組のレギュラーコメンテーターを何年か続けたことがあります。NHKの海外取材の案内を依頼されてバングラデシュの洪水災害の現場にテレビ・クルーと出かけたこともあります。どちらも勉強になりました。最近では、日本生産性本部発行の「生産性新聞」の特集シリーズ「ライフスタイル・イノベーション」の最終回分を書きました。ウェブページでの学術情報の提供は十数年前から行っています。好評のようでアクセス数も多く、記事に関しての問い合わせや質問も少なくありません。

Updated: 2010/07/23 (Fri) 13:43