国際専門雑誌に関わる仕事と海外研究者との交流
宮田 任寿
(所属: 人間環境学専攻 環境基礎論講座、研究分野: トポロジー)
国際専門雑誌への貢献
著者近影
私の専門分野は、幾何学の中のトポロジーと呼ばれる分野です。分野の発展には、我々の研究成果を、世界中の研究者がアクセス可能な国際専門雑誌に掲載することが重要で、各国の研究者は執筆者以外の何らかの立場で国際専門雑誌に関わっています。私の場合は、審査委員という形でいくつかの国際専門雑誌に関わっています。通常、研究結果は、「定理」という形で表現され、「証明」という形で定理の正しさが表現されます。審査では、定理の重要性や独創性、証明の正当性やわかりやすさ、まだ証明されていない定理であるか、などをチェックします。分野の発展のためには、研究成果を正しく評価し、世界中に情報発信する媒体が確実に運営されていくことも重要です。最近、審査委員を努めた国際専門雑誌は次の通りです。
- Georgian Mathematical Journal (発行: Georgian Academy of Sciences, Heldermann Verlag)
- Glasnik Matematicki (発行: Croatian Mathematical Society, Department of Mathematics, University of Zagreb)
- Houston Journal of Mathematics (発行: Department of Mathematics, University of Houston)
- Physica D: Nonlinear Phenomena (発行: Elsevier Science)
- Publicationes Mathematicae Debrecen (発行: Institute of Mathematics, University of Debrecen)
- Topology and its Applications (発行: Elsevier Science)
2009年からは、Zentralblatt MATH (編集: European Mathematical Society、発行: Springer-Verlag) と呼ばれるレビュー誌のレビュワも務めています。レビューは、一般の研究者に向けて、それぞれの論文が彼らの目的に合ったものかどうかを判断するための情報を与えます。
海外研究者との交流
研究を行うためには、世界でどのような流れがあるかを把握しておく必要があり、海外研究者との交流も行うことも重要です。2007年には、エジプト政府 (Ministry of Higher Education and State for Scientific Research) 派遣の研究者Ismail Ibedou氏 (Benha University) を受け入れ、3ヶ月間の共同研究を行いました。滞在中、講演会や大学院の授業でゲストスピーカを行うなど、学生や教員との活発な交流活動も行いました。フラクタル次元に関する共同研究の結果は、New Zealand Journal of Mathematicsに掲載予定です。
Updated: 2009/09/17 (Thu) 12:09