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社会に貢献する人物になることが義務?


福田 博也

(所属: 人間環境学専攻 環境形成論講座、研究分野: 電気機器工学)

大学院の学生だったとき、日本学術振興会 (特別研究員-DC1) から研究奨励金の給付を、日本証券奨学財団から奨学金の給付を受けていました。前者は、言わずと知れた日本学術振興会が行う研究者養成のための制度、後者は全国の証券会社とその関係機関からの寄付により設立された財団法人が行う学生・生徒に対する奨学のための制度です。これらのおかげで、学生時代からの研究成果は以下のような特許として出願することができました。

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研究成果を特許として出願
  • [発明の名称] 磁気共鳴イメージング装置用電源装置 (特願平8-238097)
  • [発明の名称] X線管の管電圧制御方法及び装置 (特願平8-154434)

とりわけ日本証券奨学財団の奨学金は、専攻分野を問わない、給与で返還の義務がない、奨学生修了後の進路が自由である、など義務といったものは殆どなく、日々学業に励み、健康に留意し、奨学生のために行われる各種行事に出席して奨学生間の意識の高揚、親睦に努めれば良いとされていました。

神戸大学に教員として着任した後、日本証券奨学財団奨学生の修了者の同窓会である「証券奨学同友会」の神戸大学幹事 (奨学生選考が行われている26大学・大学院に各1名) を2002年~2008年の6年間にわたり引き受けることになり、現役奨学生との懇談会への参加をはじめ、証券奨学同友会員が活動報告を行う総会・懇談会の計画と運営、証券奨学同友会報の編 集などを経験させていただき、明示されていない奨学生の義務の存在に気付きました。「社会に貢献する人物になることが義務!」つまり、奨学生として選ばれ修了した後はずっと社会に貢献していかなければならないということだと…

現在、研究室では以下のような研究テーマに学生らと取り組んでいますが、

  1. 発光ダイオード (LED) を利用した様々な照明環境が人のストレス変化に及ぼす影響
  2. 日常生活において人の健康状態を簡易にモニタリングできるセンシングシステムの開発
  3. 温度や湿度などの環境要因がコントロールされた空間における植物生体電位の計測

これらの研究・教育を通して、日本証券奨学財団奨学生としての義務を果たすこと、つまりは社会に貢献する人物を育て次から次へと輩出していくことが、大学教員である私にとっての社会貢献だと考えています。

Updated: 2009/09/17 (Thu) 12:10