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国際交流と企業との共同研究 国際交流は難しい?


近藤 徳彦

(人間行動専攻 人間行動論講座)

国際交流は難しい?

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国際交流というと、一見、大変そうに思える。実際に大変な部分もあるが、反面、あまり身構えをする必要もないのではと思っている。現在、大学では国際化が掲げられ、それぞれの大学で様々な取り組みがなされているが、やはり、問題はいかに継続するかではないだろうか。この継続という点で、次のポイントをもとに1997年から年1名~2名の研究者を招聘してきた。1) 年齢が近い (若い研究者)、2) 日本に興味がある (一度も日本に来たことがない)、3) 学生の教育に関して理解がある、4) 1週間以上滞在してくれる。この中で、1) と2) のポイントは重要で、招聘した研究者はかなり感謝してくれ、それ以降、いろいろと援助してくれるようになる。1) に関しては、経費の面でも助かるポイントでもある。国際交流と言っても最終的には人の人との関係なので、滞在期間にどれだけ相手と親密になれるのかがキーになるように思っている (4つめのポイントが重要になる)。これまでの経験から国際交流で何らかの成果を得るためには5年あるいは10年という期間が必要なのではと感じている (それだけ余裕を持って交流することが重要ではと)。その点で、昨年より、数カ国による交流がやっと具体的に進み始めた (Environmental Physiology and Ergonomics Research Exchange: http://www.uow.edu.au/health/epere/)。

企業との共同研究は難しい?

研究内容は応用生理学で、その中でも体温を維持する人の機能についての研究を行っている。この研究をもとにどのような社会貢献が行えるのか、というと、なかなか難しいというのが個人的な印象であるが、企業としてはそうでもない場合がある。というのは、企業の研究所などは新しい商品開発のため、大学の研究者をよくリサーチしているようである。2007年度から日産自動車との共同研究を行っているが、はじめの打ち合わせのときに日産の方からそのような情報をいただいた。このことは社会貢献として、企業等へ大学の研究を積極的にアピールするのも方法であるが、もう一つは、しっかり腰を据えて研究を行い、それを学会、論文、著書等で公表して行くこと自体、社会貢献につながることを、今回の協同研究から再認識した。このような意味で、社会貢献のあり方として自分の行っている研究をさらに進めることの重要性をもう一度考え直してもいいのではと思っている。

Updated: 2009/09/28 (Mon) 13:00