夢、続投。「マスターズ甲子園」
長ヶ原 誠
(人間行動学科 人間行動論講座 スポーツ社会学)
マスターズ甲子園2006 ポスター
「マスターズ甲子園」は、全国の高校野球OB/OGが、性別、世代、甲子園出場・非出場、元プロ・アマチュア等のキャリアの壁を越えて出身校別に同窓会チームを結成し、全員共通の憧れであり野球の原点でもあった「甲子園球場」で白球を追いかける夢の舞台を目指そうとするものです。日本の「フィールド・オブ・ドリームス」として、全国200万人と推計される元高校球児による各地域でのOB/OG野球クラブの活性化、生涯スポーツとしての野球文化の発展、熟年 (マスターズ) 世代と共に高校野球児を含めたユース世代にも応援メッセージを発信しながら、活力と夢に満ちた個人・地域・社会・未来への創造と発展に寄与していくことを目指し、神戸大学発達科学部の教員、職員、学生が中心となって2004年から始動しました。
第1回記念大会では、千葉県、山口県、愛媛県、熊本県の各地区予選大会 (総勢82校) による選抜・優勝校同士の「選抜記念試合」、「甲子園シートノック」、そして高校野球OB/OGパートナーとの「甲子園キャッチボール」が行われ、これらのプログラムに31都府県の132校から、最高齢は75才から最年少19才まで、総勢379人が参加しスタートしました。2005年の第2回大会では、全国の地方予選が12府県・10地方ブロック予選大会に拡大し、計5006名の元球児が各地方のかつてのホーム球場で熱い闘いを繰り広げました。
そして昨年、2006年の11月4日と5日に開催した第3回「マスターズ甲子園2006」では、15府県に地方予選大会が拡大し (推計参加者は1万人)、本大会には計16チームの代表校の657名と、甲子園キャッチボール参加者の162名、総勢829名が甲子園球場に集結し、学生と地元住民によるスタッフボランティア体制も拡大、合計811名が大会運営を支えました。代表OB試合では最年少18歳から最高齢75歳までの選手が甲子園を満喫し、全選手657名の中613名 (93%) の人が甲子園初出場者です。甲子園キャッチボールには、延べ119ペアが参加し、元高校野球関係者による「一般編」では兄弟、夫婦、かつての監督・部員を含む計40ペア、片方が元高校球児であれば参加できる「親子編」では、4歳から89歳の年齢からなる計79ペアが、甲子園球場でのフィールド・オブ・ドリームスを実現しています。また本大会では、高校時代にプラカードを担当できなかった市立西宮高校OGや、かつて甲子園に憧れたアナウンサー、審判員、チアリーダー等のスタッフもプレーヤーと共に甲子園デビューを実現しています。
大学関係者や学生が一体となって運営に携わる実践を通じて、野球文化の振興や生涯スポーツの支援方法を学ぶだけでなく、人々の人生の活性化にも貢献していく喜びや難しさを学習していく教育の場としても、本大会を継続開催していきたいと考えています。
- マスターズ甲子園
- http://www.masterskoshien.com/
マスターズ甲子園2006 ポスター
Updated: 2010/07/23 (Fri) 14:21